「教育」は子供達の未来、そして社会の未来を担います。教育に関わる人、それは子供、教師、保護者です。この三要素が学校という組織において健康で健全に機能し、一人一人が開花していくための具体的方策として、私たちはマインドフルネス教育を提唱します。

 

なぜ教育にマインドフルネスか?

 

今にアウェアネス(awareness)

 

アウェアネス(awareness)とは、気づき、気づくこと、気づく力などと捉えられます。

人間は環境の中で様々な刺激、情報を得ながら生きています。その環境というのは作り出すものであると同時に、大人、子供共に「さらされるもの」ともいえます。空間、時間の流れ、人とのつながりなど、社会情勢は急激に変化しています。必ずしも健康に有益なものばかりであるとはいえないばかりか、むしろ私たちは「意識的に」ストレスと向き合わざるを得ない時代に生きているのです。適度なストレスは健康を保ち、成長へと導きますが、過度のストレスは精神的、肉体的被害を及ぼすと考えなければなりません。外的刺激に対して処理能力を超えた時に、有害なストレス状態に陥ります。

 

そのストレスはもはや大人だけの問題ではなく、子供達も例外なくストレスにさらされています。大人がストレス状態に陥れば、自ずと子供にもその影響が及びます。また、学力競争のみならず、格差の拡大、グローバル化など、先行きが不透明な社会状況にあって、生活面で子供たちが置かれた状況もストレスの大きな一因となっています。社会情勢の変化による影響と見られる問題がが学校現場にも及んでいることは既に知られている通りです。

 

学校現場における共通の問題として・・

  • 生徒の集中力、落ち着きの欠如

  • 学級運営の困難化

  • 生徒、教師双方のストレス

  • 生徒、家庭、学校との連携の困難化

  • 注意力の急速な低下

特に注意力の低下に関しては、メディアや急速に変化する社会状況によって、大人、子供双方ともに知らず知らずのうちに影響をうけている「インスタント報酬」が原因と考えられています。

 

テクノロジーを初めとする環境の変化は注意力に大きく影響します。上記の問題からも、健康で健全な学習環境を意識的に作り出していかなければならない状況にあるのです。これは日本に限った問題ではなく、忙しい現代社会(=ストレスと背中合わせ)に生きる世界中全ての大人、子供に共通する課題といえます。日常生活において「今に心を向け」「気づく」能力の高い子供や学生(マインドフルな子供や学生)は、落ち着いて集中することができ、ストレスにうまく対応して学校生活において能力を発揮することができるだけでなく、社会性の面での対応力も高いといわれています。

 

マインドフルネスは根底にある脳と心とからだに働きかけ、「今」に注意を注ぐことからアウェアネス「気づき」を養成します。

 

マインドフルネスの果たす役割

 

一人一人が内なるコンパスを持つ・・・

 

まず大人・・・

 

マインドフルネス教育ネットワークMeNetは、子供達に対するマインドフルネス教育を広めることを目的にしていますが、まず大人がマインドフルネスの基礎を学ぶことから始めます。何故なら、教える側(教職者、保護者)がその効果を十分に享受しておくことが最大のテキストとなるからです。

子供達はその大人の作り出す環境の中に生きているのです。まず大人(教職者、保護者)が積極的に環境作りに関わることで、双方に好影響をもたらします。マインドフルネスの基礎を理解、実践することで、前向きに「子供達にも」という希望や動機が生まれたら、マインドフルネスのカリキュラムを教えるということに進みます。マインドフルネスはシンプルですが、その効果は、注意力、自己認識力、感情の統制力、記憶力、免疫力の向上と幅広い範囲に及びます。MeNetのカリキュラムは、学校で必要とされる能力、集中力、注意力、思いやる心を高めることに加え、学級内の落ち着き(学習できる状況)を整えることも意識して構成されています。

マインドフルネスは認知で行動を修正、つまり子供達に対応(how toやdo and don't)を「伝える」のではなく、脳細胞に働きかけ、内側からの変化を促すツールです。広く言えば、マインドフルネスは一人一人の中に宿る「内なるコンパス(羅針盤)」を育むものです。その場対応の対処法を学ぶことではありません。自分の思考、感情に瞬間瞬間にアウェアネスをむけ、気づいてゆき(自己認識力)、理解、対応できるようになる(自己統制力)ということは、つまり生涯に渡り起こってくる様々な問題に対して対応出来る、ライフスキルを身につけることといえます。

生活環境、学力競争が原因のストレスフルな状況にあっても、穏やかで、集中した、思いやりのあるマインドは学習へ取り組む脳の状態を整えます。子供時代に獲得した能力は、その後の人生に長く影響を及ぼし、また、得意な分野へと発展します。このような理由で、私たちはマインドフルネスを低学年から取り入れることを推奨しています。

 

マインドフルネス教育ネットワークMeNetは、「教育に携わる人々(教職者、保護者)がマインドフルネスをスキルとして獲得し、子供達へと繋がれ、そして「人生」というカリキュラムの中でで活かすことができますように」、という願いを込めて、「共に学ぶ」場を提供します。

 

マインドフルネスの効果

 

  • 集中力の向上

  • 落ち着き感の向上

  • ストレスや不安感の減少

  • 健康の増進

  • 衝動的行動の統制

  • 自己認識力の向上

  • 感情の処理能力の向上

  • 他人への共感力や理解力の向上

  • いじめ問題への自然な対応力の増進

マインドフルネス教育ネットワークMeNetの目指すもの

 

シンプル・短い。 大人と子供が共に「栄えゆく」スキル 〜’Survive ’から’Thrive’ へ〜

 

マインドフルネス教育ネットワークMeNetのメソッドは、米国カリフォルニア州オークランドに拠点を置くMindful Schoolsのカリキュラムと米国パロアルト市の小学校で実践されているマインドフルネス教育の方法を基礎にしています。

Mindful Schoolsは2007年に創設され、これまで全世界で1,000校以上、30万人以上にのぼる生徒にカリキュラムを提供してきました。このカリキュラムは、どのような教育現場においても子供達(小学生向けと、中高校生向け)がマインドフルネスの効果を実際に経験できることを目的に作成されたものです。レッスンは1日1分から15分ででききるものがほとんどで、子供達の日常生活に密着したトピックと関連付けながら、楽しく新しいものを経験してみるという視点で作られています。

 

 

 

 

 

 

これまでのところ、アメリカやその他の国において、マインドフルネスのプラクティスによる悪い影響というものは報告されておらず、むしろ、マインドフルネスは子供達にとっての、貴重な財産となるというような結果が示されています。イギリスでは、2015年10月に国会で「マインドフル国家へ Mindful Nation」という調書が提出され、その中に教育に関する記載も盛り込まれました。それによると、「教育の分野では、教師と若者たちのためのマインドフルネストレーニングの開発を先駆けて実施する、指定校を定めることを推薦する。」とあります。

 

マインドフルネスは万能薬と誤解そして期待されるのですが、子供達が人生を生きていく上での一つのスキルとして、学習と同様に重要な一つの側面として位置付けられることを期待しています。

 

また、教育に携わる全ての人々の生活や職業において有益なものとなるよう、一人でも多くの教える側(教職者、保護者)の人々が習得実践できるものであることを目指しています。

 

私たち、マインドフルネス教育ネットワークMeNetの考え方は、Doing「To Do」を消化するのでなく、Being「今、この時をDo」して積み上げること、「生き抜く」ではなく「栄えゆく」スキルを内側から築いていくことを目指しています。